リン・マサオミ/#02 of Soul Relations

#02 東京大阪 列車の中で

 大阪へ向かう早朝の新幹線はビジネススーツ姿の人で、いっぱいだ。スーツの着こなしが、それぞれ違うのと同様、ゆったり朝刊を読む人、早々と眠りにつく人、午後からのプレゼンの打合せをする人達、まっ赤な目で乗り込んで来て席に座るやラップトップ(PC)を出してカチャカチャとキーを叩きはじめる人など、いろいろだ。

狭い車内、それぞれの事をしながら目的地に向かって走る空間を共有しあう(ちょっと不思議な)時間。 しかし、それ以上の関係が生まれる事は殆ど無い、という時間帯。そういう私も午前九時からの会議に出席するためにネクタイを締め、目の前にラップトップを展げている。 静岡を過ぎる頃、ひとりの友人にメールを書いて送った。

 数日前、年下の友人から「離婚しました!」 というハガキが届いた。

#2.jpgストレートで衝撃的なタイトルだ。 盛大に結婚披露宴を催したのは、四年前の六月だった。その後、連絡を取っていなかったので充実した幸せな生活を送っているのだろうと思っていた。新婚旅行先から「私達、結婚しました!」と送られて来たハガキの中の彼女はエッフェル塔を背景に旦那さんと一緒に満面の笑みで、幸せの押売でもするような顔でこちらを見ていて「まったくもう仕様がないな(笑)」と、思わず自分も微笑んでしまったのを覚えている。あれから時が過ぎて彼女が独りに戻ったという事実は分かった。 が、どうして そのような選択をしたのか... 何故そういう事になったのかは知る由もない。

 仕事を終え梅田の食堂街でビール二杯とハイボール一杯を飲み、新大阪駅へ。ウィスキー水割り二缶とハムサンドを買って帰りの新幹線に乗り込んだ。ちびちび飲りながら鞄からラップトップを開けてメールをチェック。朝、メールした友人から返事が来ていた。

それによると彼女の廻りで度重なる不幸が続き、家族間で話合いがもたれた。 その結果一緒に暮らす事が困難になり別離に至ったという内容だった。そして続きの文章には現在「彼女は何か覚醒したように元気」と書いてあった。 手紙を あらためて見る。

「離婚しました!」と送られて来たハガキの中の彼女は山の頂らしい所で手を突き出してV(ピース?) サインをしている。 今時いい大人が、そんな事するか!と思いながらも登山を再開した事を知った。仕事も又はじめたのだろうか? この写真は決意表明なんだろうか? 彼女の目は、澄んで輝いている。視線の先に有る何かを見据えているようにも見える。とても生き生きしてるように見える。

 人が人として輝く時って必ずしも幸せなモノでは、ないのかもしれない... などと酔ったアタマで考えた。

リン・マサオミ

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自分の行方(酔っぱヨタ与太備忘録)

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Profile

1959年群馬県生まれ 
建築設計・施行業務を行う小さな会社の役員
福島・群馬・東京・大阪を移動する日々

お酒大好きです。
写真撮ってます。
プロフィールの写真はヘベレケ酔いを自ら記録したものです。