岡部直人/#01 of Soul Relations

#01 ジェフ・ベックという人はいつまで“現役”なのだろう

002.jpg最新アルバム「エモーション&コモーション」と、コンサート会場で購入してき たTシャツ、パンフなど。白いストラトのプリントが結構、お気に入り。 ジェフ・ベックという人には、本当に困る。齢65にして、なんなのだろう。あの現役感は。

スタジオ・レコーディング・アルバムとしては7年振り(!)にリリースされた「エモーション&コモーション」を最初に聴いたときこそ“ちょっとユルい?”とか思わないでもなかったりしたわけではあるのだけれど、聴き込んでいくうちにクセになることクセになること。その勢いで東京国際フォーラムでのライブに行ってきたわけだ。

アニメ「けいおん!」でも引用されていたが「ロック・ギタリストには2種類しかいない。ジェフ・ベックとジェフ・ベック以外だ」というポール・ロジャースの名言も今は昔。なんというか、もう別の次元で、この人はギターを弾いているのである。

ロックだとかロックじゃないとか、そんなことはもはやどうでもいいのだ。ファンとしても、これだけ芸歴の長い人なわけだから、たとえば、「ブロウ・バイ・ブロウ」「ワイアード」「ゼア・アンド・バック」時代最高! とか、ジェフ・ベック・グループ時代(第1期と第2期では別バンドだが)がいい、とか、やっぱBBAでしょ、とか、シブいところヤードバーズ時代! などなど、いろいろあるとは思う。

つまり、これだけのキャリアを持ったミュージシャンなのだから、ふつうなら“グレイテスト・ヒッツ・ライブ”になりがちで、壮大な懐メロショーになるのは、ある程度、ファンサービスでもあるわけだ。

確かに、前回あたりは若干、そんな雰囲気もあった。ところが! である。今回は、セットリスト全21曲中新曲が5曲(以前からステージでは演奏されていた「オーバー・ザ・レインボウ」含む)。名盤「ブロウ・バイ・ブロウ」からは、アンコールの最後で「哀しみの恋人達」、「ワイアード」からは「レッド・ブーツ」が演奏されたのみ。

030.jpgこれが「エモーション&コモーション」のケースに入っていたピック。もったい なくて使えない……だいたい、ジェフ・ベックの場合、いわゆるヒット曲というものがないので、選曲のしがらみはそれほどないのかもしれないが…… それにしても、潔すぎる。今回、最大のファンサービスになったのは、アンコールでレスポールを弾く姿を見せてくれたことだろう。

「ブロウ・バイ・ブロウ」のジャケ裏に憧れてから約35年。生でまた、そのお姿を拝めるとは思ってもいなかった。因みに、最新アルバム「エモーション&コモーション」におマケで付いていた、ジェフ・ベックのシグネチャー・ピック。“畏れ多くて使えるわけがない”のは言うまでもない。

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Profile

神奈川県横浜市在住。

音楽とか映画とか(主に70年代の)をこよなく愛する、自称フリーランスライ
ター。

Soul Relations(ソウル・リレーションズ)の渡辺末美・編集長とは1歳と半年違い。30年来の友人でもある。