#01 仲井戸麗市さん_PAGE 1 of Soul Relations

WEBマガジン「Soul Relations(ソウル・リレーションズ)」の創刊号を飾るのは、仲井戸 ”CHABO” 麗市さんのスペシャル・インタビュー。2009年5月2日、あまりにも信じられない出来事が起きてから、ちょうど1年。あれからチャボさんは、一体どんなことを考えているのか。チャボさんの想いの丈をいま、あなたにお届けしたい。

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「RCサクセション時代の曲を、俺がひとりでやる」。
 忌野清志郎さんの盟友・仲井戸”CHABO”麗市さんは、清志郎さんのために、そして待っているファンのために、折れそうな心を何度も奮い立たせ、ありったけの魂を振り絞って、いくつもの深い想いを胸の内に秘めて、2009年10月11日、渋谷AXのステージに立った。
 このライヴは「よォーこそ」にはじまり、「君が僕を知ってる」「つ・き・あ・い・た・い」「キモちE」「いい事ばかりはありゃしない」「雨あがりの夜空に」など、そして「スローバラード」「夜の散歩をしないかね」まで、清志郎さんに捧げたオリジナル曲を含む全25曲以上に及ぶすべての名曲たちを、世界中でチャボさんだけが知る清志郎との数々の秘密のエピソードの紹介を織り交ぜながら唄われている。
 このときの模様は、2010年1月に、LIVE DVD「I STAND ALONE」と、LIVE CD「I STAND ALONE」、それぞれ2枚組でリリースされている。チャボさんがどんな想いで清志郎さんに捧げた歌を自ら唄われたか。あなたの目と耳で確かめていただければ嬉しい。
 また、チャボさんは現在、「GO!!60」というタイトルで、1月から10月まで、タイトル通り60本ものライヴ・ツアーをおこなっている。これは2010年10月9日に、60歳になるのを機に企画されたツアーだ。3月に米子ベリエで拝見したライヴは、ぶっ倒れるまでやろうとする、その決意に心が震え、生きている者の責任を凄絶(せいぜつ)に感じさせてくれるものだった。
 それでは、チャボさんのインタビューを、どうぞお読みください。
仲井戸”CHABO”麗市さんオフィシャル・サイト
http://www.up-down.com/020chabo/index0.html
インタビュー・文 / 渡辺末美
撮影 / 三浦麻旅子(Live Photo)

「やっぱり突きつけられるものは、歴然と感じる」

──今日はよろしくお願いします。

「こちらこそ、よろしくお願いします」

──今回、「Soul Relations(ソウル・リレーションズ)」というWEBマガジンを立ち上げることになりまして。

「すでに匂いがあるね(笑)」

──(笑)。それではまず、すでにはじまっている今回のツアーの、タイトルの話から聞かせてください。

「はい」

002.jpg──ツアータイトルは、「GO!!60」

「はい」

──もちろんニュアンス的にはわかるんですけれども。

「そのものズバリです(笑)」

──(笑)。このツアータイトルについて、ご本人の口からコメントをいただければと。

「はい。今年の10月、ジョン・レノンさんと同じ誕生日に、……自分でも信じられないんですけど、いわゆる還暦、ですか。60歳になるわけです。その数字を、うちの社長がこういうタイトルにしてくれたんです。まぁ、55歳になったときも、"GO!GO!" とかね。そういうタイトルでツアーをやったんですけど、今回はそういった意味の60です」

──60歳という響きは、正直なところ、いかがですか。

「子どもの頃とかティーン・エイジャーとか、20歳くらい、30歳くらいのときもそうかな。60という数字が、……ねぇ? 50歳のときもそうだったけど、あり得ない自分の領域?(笑)。50歳になったときも "うわぁ~!" と思ったけど、その10年の違いってこんなに大きいのかなと思うほど、実感が半分もないって言うのがひとつの……。"おいおい、本当かよぉ?" みたいな。"還暦って、なんなんだよ" みたいな、ね(笑)。
 そういうふうに実感がないことがひとつと、半分は "そうなんだよ" って、思わざるを得ないというか。実感をもたざるを得ない実感というか。そういう感じですねぇ」

──ただまぁ、ぼくも来年は50歳なんですが、ぼくらが子どものときに描いていた40代、50代、60代というのと、実際にその年齢になってみると、まったく別モノでした?

「うん」

──そこには多少なりとも驚きがあって……。なんなんでしょうねぇ、それは。

「一種の感覚としてね」

──そうですね。

「だからティーン・エイジャーのときは、30歳なんて、とんでもない年齢だよね」

──オジサン(笑)。

「オジサンもいいとこだよねぇ。でも実際に自分がなったら、"なんだよ、30歳ってこんなものか" くらいのものでしょ?」

──そうです。

「そういう実感がないんですよね。それは変わらずあるんだけど、さっき言った、……きみが50歳になったときにどう感じるか、興味深いけど、40代のときと違う感覚があるのか。それとも、やっぱり変わらないのか。俺が50になったときは、肉体的な部分で40代のときとは違う感覚があったけど、それほどの臨場感は、まだなかったね。
 しかし、60を迎えるとなると(笑)、いろんなこと……、身辺のことも含めて、相当違う感じは、日々、常に感じているんだけど……。
 やっぱりなにか、"あんまり関係ねぇんだよな" って。その感覚はロックっぽいし、好きなフィーリングだよ。ただ、やっぱり突きつけられるものは、歴然と感じる」

──たとえば、それはどういうときに感じられますか。

「俺はステージに立ったりギターを弾いたりすることが仕事だけど、そういうことを別にすると、普通の市民生活を送っているなかで、やっぱりたとえば、友人、知り合いの、ある種、辛い別れとかね。そういう明確なひとつの、若いときにはあり得なかったことが増えてくるよね。そういうこととか、自分の肉体や、前は100メートル走っても楽に走れたのに、いまは疲れるとかね。そういうことは、あるよね。この年齢になると、そういうことの度合いが、歴然と増えている。
 その反比例として、"精神はぶっ飛びたい" とかね。そういうことはあるけど、そこのあたりの自分のバランス感覚を保とうとすることは、差し迫っていることは、歴然と感じざるを得ない。
 だけど、こういうことを語らないのは、その人の生き方やセンスの持ち方だと思うんだけど、俺はキース・リチャーズが語るとは思わない。それは彼のかっこいいところなんだけど。そういうことからすると、俺は普通にしゃべっちゃうんだけど、…まぁ99パーセント、だれもが年齢との格闘はあるはずなんだけどね。こういう話をしないほうがロックっぽいけど、俺はこうやって話して自分の中のなにかを変えたいタイプだから。ただ……、すごく重いことは、たしかだね(笑)」

──50歳になられたときと60では、どちらが重いですか。

「やっぱり今回のほうが重い。だけど、だからこそぶっ飛ばなきゃっていう(笑)。その部分の比例は、やっぱり反比例かもしれない。あるとき、鈴木慶一くんがそういうことを言っていて、とても共感したんだよね。"精神と肉体は反比例する" って。それはものすごく共感するよ。ただ、現実感としては、全然違うね」

──実は2日前に、仲のよかった友人が、40半ばで亡くなってしまったんです。

「若過ぎるよね」

──はい。それでWEBサイトのダイアリーにぼくが書いたのが、じゃあ、ぼくはどうすればいいのか、と思ったときに、「生き抜くしかない」だろうなと、書いたんです。

「うん。……うん。いいね、その言葉」

──そのときは、それしか言いようがなくて。

「うん。……うん。それはとても、大事な言葉だと思います」

──ありがとうございます。

「うん」

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