#03 SHARAさん_PAGE 1 of Soul Relations

title.jpg
  SHARAさん ロングインタビュー

WEBマガジン「Soul Relations(ソウル・リレーションズ)」3回目のプレミアム・インタビューは、2010年7月4日に、同じアースシェイカーのヴォーカリスト、マーシーさんと結成したユニット、SMC(シャラ・マーシー・コレクション)のデビューアルバム、「EARTHSHAKER」をリリースした、ギタリストのシャラさんの登場です。

■石原 "SHARA" 愼一郎さんプロフィール
 通称、シャラ。1978年、高校の同級生だった二井原実(X.Y.Z.→A/ラウドネス)らと共にアースシェイカーを結成。その後、メンバーチェンジを 数回経た後、1983年にアルバム『EARTHSHAKER』でメジャーデビュー。
 1986年には国内のハードロックバンドとしては初の武道館 ライブを開催。
 1993年には7th SINGLE『Say Goodbye』を発売し、各地の有線放送局で1位を飾るものの、同年12月に解散。その後、樋口宗孝、寺沢功一、二井原実とSLY結成を経て、1999 年には5年振りにアースシェイカーを再結成。現在は、アースシェイカー以外でも幅広い活動を展開中。
LinkIconEARTHSHAKER  Official Web Site

SMCのデビューアルバム、「EARTHSHAKER」は、バンド、アースシェイカーのセルフカヴァーだ。ところがこれが、生半可なセルフカヴァーではない。全7曲収録されているけど、なかには唄い出しても原曲がわからないほど変貌を遂げた楽曲もある。そしてどの曲も、聴く者の想像をはるかに超えたアレンジで度肝を抜かれる。一体どんな発想なら、ここまで驚きのアレンジができるのか。そのあたりを中心に話をうかがった。
また、併せてシャラさんのソロプロジェクト、mintmints(ミントミンツ)りセカンドアルバムのリリースと、秋に予定されている、マーシーさんのバンド、The Marcy Bandとの対バンツアーの話なども伺っている。

なお、SMCのアルバムは、ライヴ会場とアースシェイカーオフィシャルグッズショップのみの販売なので、こちらで注文していただければ嬉しい。
LinkIconアースシェイカー オフィシャルグッズショップ

インタビュー・文 / 渡辺末美

「マーシーが “シェイカーの布教活動のために”って(笑)」

 シャラさんのインタビューは、ぼくが宿泊しているホテルのレストランでさせていただくつもりだった。ところが午後2時を過ぎても、満席の上に、何組も順番待ちをしている盛況ぶりだった。それでどこでインタビューをしようかと思案した結果、ふたりとも周辺のカフェ事情に疎く、どこがいいのかがさっぱり判らなかったから、仕方なしにぼくが宿泊しているシングルルームでインタビューということになった。日中、ホテルの部屋に、それが男性でも女性でも招き入れるのは、なにもないとわかっていてもどことなくぎこちなくなってしまうような、一瞬、そんな微妙な空気が流れたのは、ぼくの気のせいだったのかな。

 録音用のMacBookとモルツをテーブルに置いて、シャラさんにはひとつしかない椅子に座っていただき、ぼくはベッドの端に腰かけてインタビューがはじまった。

……うん。やっぱり妙な雰囲気だ。

03.jpgでは、よろしくお願いします。

「よろしくお願いします」

──まさかホテルの部屋でインタビューをすることになるとは思っていませんでしたが(笑)。

「はははっ(笑)」

──まぁ、音がクリアなので、楽でいいです。

「楽やろねぇ。あとから聞き取るのは、めちゃくちゃ楽やろね」

──ええ。それでまずは、SMCの話から聞かせてください

「うん」

──ご存じない方のために、SMCというのは、「シャラ・マーシー・コレクション」

「そう。最初は ”SMコレクション” って呼んでたんだけど、それだと長いし、”collection” の綴りも難しいという話になって。”じゃあ、SMCにしよう” と」

──「SMコレクション」の、最初のきっかけみたいなところから、教えてください

「最初は、”SHARA VS MARCY” のツアーのときに、アコースティックでぼくとマーシーの二人でやったり、”アコースティック・シェイカー” のときに、二人で前座で出てっていう……、そのときに、ゆるい感じの設定、というのがあったんよね。それでまぁ、アースシェイカーの曲を普通にアコースティックでやっていて。
 だけどそのときは、そこからなにも発展することもなく。ただ、”二人だったらいつでもできるよね” みたいな感覚で。
 そんな感じでしばらくやっていたんだけど、去年リリースした『The Course of Life』のおまけアルバムというか、アコースティック・アルバムがあったじゃないですか。あのアルバムを制作するときに、アコースティックもバンドでやってしまうと、時間もかかるし、経費もかかる。それでどうしようかというときに、何曲かを二人でやろうと。
 “じゃあ、そうしよう” って言ってたんやけど、曲をちゃんと打ち込んでやってみたら、このアルバムに数曲だけ二人で入っていくのは、ぼくには考えられなかったんよね」

──バランスが悪い。

「うん。描いていたものからほど遠かった。それで納得いかないということで」

──トータルのバランスですよね。

「そう。それで、ドラムを打ち込むのではなくてループを使って、そういうことをして、なんとか表現していこうと。で、『ありがとう君に』と『ラジオ・マジック』の2曲を二人でやったら、けっこうおもしろかったんよ。マーシーも歌を自宅録音したし、ぼくもあのアルバムに関しては、ギターソロ以外はすべて自宅録音したんで。……そしたらおもしろいものが出来上がって
 それでミックスダウンをしたときに、マーシーが、”これはすごくいい出来だから、シェイカーの布教活動のために……”」

──はははっ!(笑)。

「ねっ!?(笑)。四人であっちこっち行くのは大変じゃないですか!? “四人だと行けない場所を、こういう形でまわれないかな” って」

「まずは原曲を破壊して、アレンジのない状態から」

──それが最初。

「うん。だから、ほんの軽い気持ちで。”あぁ、ええよぉ” みたいな。そんな感じで進んで、そうやっていくうちに、いろいろ進化していったんよね。進化していって、いまに至ってる」

──でも、去年の話ですよね。

「うん(笑)。あっという間やね。二人だと、やり出すと早いから(笑)」

──CDをリリーしようというのは、どのタイミングで。

02.jpg「最初は、”ライヴだけやっていこう” という話だったんだけど。ぼくも、SMCを最終的にどういう形にもっていったらいいかがわからなかったし。だから毎回、ずっと遊んでいて。次にそのパターンでやったのが、アルバム用のおまけにつく、オフィシャルグッズサイトで購入したときにだけつくおまけでつくCDがあって、そこに『リトルガール』をアレンジして、また二人でつくって。で、ぼくがミックスをして完成させたんよね。そのアレンジがユーロっぽいアレンジで、マーシーがおもしろがって。”おもろい! これはおもしろい!” って。

 それで、次は『ピエロ』という曲をアコースティックでやったんやけど、最後に長いソロを入れてつくったら、マーシーが、”これはものすごくおもしろい。SMCはシャラがおもいっきりギターを弾いて、俺がおもいっきり唄う。二人しかいないんだから、そういうところを目一杯出していこう” って。で、ぼくは、”あぁ、なるほどな” って。そこからどんどん……、ループしか使わなかったのをドラムを打ち込んで。ドラムを打ち込んだら、マーシーが “おもしろい!” って言うから。そこから発展していったんよね。そうこうするうちに曲が貯まったから、”これは形にして残さないともったいないでしょ” って(笑)」

──選曲でぼくが一番驚いたのが、「Natural Hearts」と「PERROT」でした。つまり、「えっ? この曲をピックアップしたんだ!?」という意味で。

「(笑)」

──これはどんな発想で出てきたんですか?

「それはこの中で、”この曲を入れてくれ” ってあったのは、マーシーが “『Gambler』を入れてくれ” というので。それ以外はぼく選曲で。”意外なアレンジでおもしろい曲はないかな”。まぁ、『EARTHSHAKER』は名刺代わりに絶対に入れておかないとだめだと。ほかは、おもしろいアレンジを考えつきそうな曲を探して」

──アースシェイカーのファンでも、『スマッシュ』とか『プリティグッド』あたりのアルバムを聴いていない人も、中にはいるんですよね。

「いるね」

──だから、原曲を聴いたことのない人もいるんですよ。

「いるやろねぇ」

──そういう意味では、聴く人によっては、新曲のような感覚もあると思うんです。でも、改めて原曲を聴いてみると、全然違うし(笑)。

「全然違うよね~。それがおもしろいねん(笑)」

──ね~。まったく違いますね。

「うん。一旦、自分の手でアレンジしたものをもう一回やるんだから、まずは原曲を破壊してしまって、アレンジのない状態からはじめるんだけど、アレンジャーとしておもしろいと思えるパーツは残して」

──メロディ自体が変わった曲もありますよね。

「そうやね。それはコード進行をよりおもしろくなるようアレンジしていっていったら、やっぱり少しメロディに変化が出るよね」

──それがおもしろかったです。

「そう言ってもらえると嬉しいなぁ」

──それとギターキッズ的には、特に『Fugitive』が、アッ!と驚くアレンジだと思います。

「そやね」

──まさか、最後のギターソロが最初にくるなんて、誰も想像できなかったと思います。

「そうやろねぇ」

LinkIcon前のページ へ