#02 鈴木トオルさん_PAGE 3 of Soul Relations

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  鈴木トオルさん ロングインタビュー

「やっぱり物事に囚われないようにしたいよね」

_U9L2540.jpg──わかりました。それではここで、年齢の話を聞かせてください。

「はい」

──50歳になられたときの実感というのは、どんなものでした?

「ん〜。なにもなかったね(笑)」

──あっ。本当に?

「うん。実はなにもなかったの。おちゃらけて言うときは、”四捨五入して100だな” って言うけど、本当にそういう感覚で。なにかが一気に変わるかと言えば、別になにもなかったしね」

──40歳のときは覚えていらっしゃいます?

「それもなかったね。……うん。なかった。……ぼくは年齢のことはあんまり気にしていないんだよね。なにかの用紙に “年齢を書いてください” というときだけ、”あっ、そういえば50だったね” って(笑)。その程度で、普段は年齢のことはほとんど頭の中にないよね」

──どっちかというと、ギター少年とか、ティーン・エイジャー的な気持ちで。

「そうそう。そうだよね。だから別にこう、取り立てて常に少年らしさだとか、”やんちゃでいなきゃいけない” ということも思わないし、普通にやっていて、ぼくのやんちゃさというのは、たぶんハミ出ていくだろうし。本人も知らないうちに(笑)」

──(笑)。その意味で、トオルさんの理想の大人像みたいなものがあれば教えてください。

「やっぱり、物事に囚われないことだろうね。で、物事に囚われないということに、意識を持っていき過ぎると、がんじがらめになっちゃうからあれだけど、なるべく自然体でいて物事に囚われない、ということだね。そういうことだと思うな。
 それとか、やっぱりいろんな人と会うし、いろんな出来事があったりとか。もちろん自分を攻撃する人間も出てくるし。そういう中にはね。そして、人からいろんなことを言われる場面もあるけれども、自分はできるだけ、人を許せる人間になろうかなって思ってる。……やっぱり許せないと、自分が辛くなるね。だから、そういう大人になりたいなぁと、思っている」

──そういうことを意識しはじめられたのは、おいくつくらいのときですか。

「それも実は、わりとごく最近なんだよね。いままでは、衝突したら相手を完全にケチョンケチョンにするまで、こっちも攻撃していたからね。……でも、それをやるとものすごく自分も傷つくし、悲しい気持ちになるし。あんまりいいことないなっていうふうに、次第に思うようになってきたね。それよりも、人からなにか言われようが何をしようが、うまく流せるようにするとか、その人のことをうまく許せるようにしていこうとか。そういうふうに思うようになってきたね」

──きっと攻撃するほうが楽で、許すほうが難しいと思うんです。

「う〜ん」

──だから楽なほうの、攻撃するほうを選ぶ。ということを、人はやってしまうのかなと思います。許すほうが、やっぱり難しいです。

「そうかもしれないね。ただやっぱり、自分が可愛いじゃないですか?」

──結局は、そこです。

「うん。結局は、とどのつまり、そこに行き着いちゃうんだけども。自分がかわいいから、人を攻撃すると、結局自分も同じようなステージまで降りていかなきゃいけないし、自分も傷つくというところで、”自分可愛さ” の、防衛のために、”人を許す” というところに到達したのかもしれないけれど。”なんかバカバカしい” と思ったりとか」

──わかります。いやでも、許すのは難しい作業ですね。

「それとか、なにか出来事があったときに、”誰かがなにかを言っているみたいだよ” ということが、噂で入ってきたりすると、自分の中でさ、”一体誰が言っているんだろ” とか、犯人捜しをしはじめちゃうの。そうすると一つひとつ潰していくじゃない。”コイツじゃない” “アイツじゃない” って。もう、それをやってる労力とか、それをやっている自分が嫌になっちゃって。ずいぶん前のことだけど、そんなことがあってね。それをまずひとつ、”やめよう” と思ったの」

──人間不信に陥りそうですよね。

「そうそう。で、それが最初にあって、その次に、”人を攻撃するのはやめよう” というところに行って。それで最終的には、”できるだけ人を許せる人間になろう” というところに、いま、来ているんだけどね」

──話は違いますが、さきほどトオルさんの口からたまたま「ソウルメイト」という言葉が出たんですけれども、「魂」という言葉には、どういうイメージがありますか。

「実はぼくはものすごい……、たとえば、人間の進化論で、”最終的には人間は魂だけになって、肉体はなくなる” みたいなことを、かつて言っていた人がいたんだけども、ぼくは絶対にそんなことはあり得ないと思うのね。魂って、実はめちゃくちゃ下世話でさ。で、肉体があるから必ず魂があるみたいな。欲望の固まりも魂だったりとか。そのバランスのたまものなんじゃないかと思っているんですよ。だから、魂だけが残って崇高な場所へ行くというのは、”まずないんじゃないの” って。そう思うね。
 だから、魂が健全な人間は、やっぱり肉体も健全だものね。そういうふうに、すべてのものはバランスで成り立っているなって思う。だから魂も、そのとおり。バランスで成り立っていると思う」

──精神も肉体の影響を受ける。

「うん」

──たぶん、そうなんでしょうね。

「うん。そうなんだよね。だからやっぱり、むかしの人はよく言ったもので、”病は気から” という言葉があるけれども、その逆もあってさ、”気は病から” という言葉もあってさ。両方あるよね。肉体が元気がなくなっていくと、気力も衰えていく。で、気力が衰えていくと同時に、肉体も……。だから、やっぱりバランス。全部バランスなんだなって、思うね」

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