
竹本孝之さん×SHARAさん ロングインタビュー
──それでは、夢はどうでしょう。20年前といまと、近い夢を持っていますか?
SHARA「いや、全然違う夢だと思うなぁ。20年前に描いていた夢とは、いまは違うね。同じものではないな。20年前は、自分のことを身の程知らずというか、そういうところがあったんだけど、いまは自分の身の程もわかるし。裏付けのない自信ではなくて、いまは裏付けのある自信でちゃんと行動している感じ。そうすると必然的に、いろんなものが変わってくるよね。勢いはないかも知れないけど、確実に夢の近くに行けるようになっている。……20歳のときには、50際になってロックをやっているとは思わなかったからねぇ。想像できなかった。自分でもびっくり」
──竹本さんはいかがですか。
竹本「変わったのは、圧倒的に肌のハリだよね」
──全員爆笑
──いやいや、そういうことではなくて(笑)。
竹本「あの頃を思い出すと、自分のことしか信じられなかった時期があったのね。当時、自宅録音に適した機材がたくさん出てきていて、いまほど簡単ではなかったんだけど、デモテープをつくることに燃えていた時代があったんですよ。『BORDER』もそうなんだけど、自分が描いているものをより正確に伝えるためには、言葉ではなくて形だと思っていた時期があって。……それが最近は、携帯だけですよ」
──んっ? 携帯で?
竹本「携帯のボイスレコーダーを使って唄う。楽器を使わないんですよ。しかも、自宅録音はしない。多重録音は絶対にしない。ただ、フレーズにコードをつけて、”この曲をアレンジしてみて” って人に頼む。はたしてどんなふうになるか。それがおもしろくなってきたんですよ」
──なるほど。
竹本「いまも昔も曲のイメージはあるけど、”この人に頼んだらどうなるんだろう” という、そっちの楽しみ。その意味では、もっとトータルで見ることができるようになった感じはしますよね。だから、これまで歌詞は全部自分で書いてきたけど、最近は人に頼むことを覚えました(笑)」
SHARA「はははっ!(笑)」
竹本「しかも、”こんな詞にしてくれ” も、ひと言もなく(笑)。やっぱり、”これはすごい!” と思えるものをつくるには、第三者の目が必要なんですよ。それを、自分が “こんな詞は唄えない” と思うか、”これはおもしろい” と思うかは、自分の技量にかかってきますよね。だから細かいことはなんにも言わない。
要は、死ぬまで唄えていればいいんです。だから、昨今カヴァーアルバムがけっこうあるけど、自分もカヴァーをやっても別にかまわないと思う。俺がやらなきゃいけないのは、その年代、年代の声をちゃんと届けなきゃいけない。たとえキーが下がったとしても、それはしょうがないだろうと。青筋を立てて唄う20代があったとしたら、今度は音を下げて余裕で唄う30代、40代があってもいい。それが50代になっても一緒。唄えなくなったらアレンジを変えればいい。そういうふうに思えるようになったんてすよね。それは変化というよりは、唄ってナンボだと。唄えてナンボだと。その意味では、言葉を届けるという気持ちはずっと変わってないんですよ。音が変わったりアレンジが変わったりしても、ぼくらは歌詞を届けないといけない。言葉を届けなきゃいけない。ということは、ずっと思っていますね」
「米子でやるというのがポップでいい」(竹本)
──現段階では、米子のライヴはまだイメージしにくいと思うんですが、どんなライヴになればいいなというふうに思っていますか。
SHARA「色鮮やかな、個性豊かな二人が混ざって、おもしろい方向に行って、二人ともノビノビできたらいいな」
竹本「ぼくはもう単純に楽しみたいですね。もちろん、すごく楽しみだし。ぼくにとってははじめての会場だし、どういう形になるかはわからないけど。SHARAさんと一緒にするのもはじめてだし。そんな中で楽しくできればいいな。それってやっぱり一番じゃないですか」
SHARA「うん」
竹本「ステージに立っている人間が楽しくなかったらお客さんも楽しくないから」
SHARA「そうやね」
竹本「そんなに難しい音楽をやるわけではないんでね。ストレートなロックをやるだけなんで。だからぼくは、そこがすごく楽しみ。そうあればいいなと思っています。それとやっぱり、米子でやるというのが、すごくポップでいいですよ」
──わははっ!
竹本「東京でやるんだったら、まだわかるじゃないですか?」
SHARA「ねぇ」
竹本「東京でやるんだったらわかるけど、なぜ米子? って」
SHARA「ほんまよね。なんで米子?」
竹本「渡辺末美という人間が、たまたま米子にいるからなんですよね」
SHARA「そうなんよね〜」
──SHARAさんが、もしも竹本さんに期待することがあるとすればなんでしょう。
SHARA「今日久しぶりに会ったんだけど、あの頃と変わらない気持ちいい、より気持ちよくなってる感じの人間性だから、なにもないね。安心もしたし、楽しみも増えた。いい夜になりそうな予感があるね。だから期待感があるよ」
──竹本さんは。
竹本「気持ちよくギターを弾いてもらえたら、それでいいです。同じステージに立って、お客さんのほうを向いてニコニコしながら演奏できれば、それで十分です」
──ヴォーカリストとギタリストという部分でも、二人がステージで並んだときのヴィジュアルという意味でも、とても新鮮なステージになると思います。特にSHARAさんは、サポートするのに女性ヴォーカルはあっても、男性ヴォーカルはあんまりないじゃないですか。
SHARA「そうやね」
──しかも今回はユニットなので。
SHARA「おー!(笑)」
竹本「新ユニット結成だ(笑)」
──そうそう(笑)。
SHARA「平均年齢は高いけどね(笑)」
竹本「はははっ! たしかに、ちょっと高いなぁ(笑)」
──なのでその分、大人のロックを。
SHARA「なるほど」
竹本「たしかに考えられない組み合わせだもんね。おもしろいと思うなぁ」
──絵になりますよ。
SHARA「ねっ。考えられないよねぇ」
竹本「それと、今年デビュー30周年だから、その意味でもいいタイミングなんですよね。……なんか、ワクワクしてきたぞ(笑)」
SHARA「楽しみましょ」
* * *
今回のライヴのメインのセットリストは、主にこのアルバムに収録されている楽曲からセレクトされたものです。
現在は廃盤になっていて手に入りにくい状態になっているものの、機会があればぜひ一度、聴いてみていただきたいと思います。きっと、竹本孝之さんとSHARAさんのロック魂溢れるコンビに度肝を抜かれることでしょう。
BORDER 竹本孝之 (1988年リリース)
ROCK & ROLL NIGHT
BAD BOYS
BREAK OUT
BALLADE
You Are The Only One
BORDER
Give Me Your Love
RUN TO LIVE
LONG TIME
歩き続けていたい
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