#05 竹本孝之さん×SHARAさん_PAGE 1 of Soul Relations

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  竹本孝之さん×SHARAさん ロングインタビュー

WEBマガジン「Soul Relations(ソウル・リレーションズ)」。今回は2011年5月29日(日)に、鳥取県米子市のライヴハウス、米子ラフズで、はじめてユニットを結成してライヴをおこなう竹本孝之さんと、アースシェイカーのギタリスト、シャラさんの対談です。

■竹本孝之さんプロフィール
 1981年にミスターCBSソニ-オーディション81グランプリ受賞。同年、シングル「てれてZINZIN」、テレビドラマ「陽あたり良好」にてデビュー。「まんが道」、「だんな様は18歳」「熱き瞳に」、「中学生日記」(NHK教育2001年4月〜2006年3月)等、多数のテレビドラマ、舞台、映画に出演。アイドルとしてデビューしながらも、徐々にロック色の強い作品を発表しはじめる。SHARAは、1988年リリースのロックテイスト溢れるアルバムアルバム、「BORDER」でギターを弾いている。2011年1月には、アコースティックのライヴDVD「Run To Live」と、ライヴCD「GENESIS」をリリースした。九州男児ならではの男気と、説得力のある抜群の歌唱力は健在。また2011年は、デビュー30周年の、大きな節目の年でもある。

LinkIcon竹本孝之さん公式サイト

■石原"SHARA"愼一郎さんプロフィール
 1978年、高校の同級生だった二井原実(X.Y.Z.→A/ラウドネス)らと共にアースシェイカーを結成。その後、メンバーチェンジを数回経た後、1983年にアルバム「EARTHSHAKER」でメジャーデビュー。1986年には国内のハードロックバンドとしては初の武道館ライブを開催。1993年にはSINGLE「Say Goodbye」を発表し、各地の有線放送局で1位を飾るものの、同年12月に解散。その後、樋口宗孝、寺沢功一、二井原実とSLY結成を経て、1999年には5年振りにアースシェイカーを再結成。その後もコンスタントにアルバムをリリース。2010年12月には、デビュー当時の曲をレコーディングし直した楽曲だけで構成されたアルバム「BACK TO NEXUS」を発表。バンドと平行して自身のソロプロジェクト、mintmintsや、天野月子らのプロデュース&サポートも含め、精力的に活動している。

LinkIcon石原"SHARA"愼一郎さん公式サイト

インタビュー・文 / 渡辺末美

「俺はSHARAさんのフレーズが好きなんです」(竹本)

SHARAさんもギターで参加している竹本孝之さんのロックテイスト溢れる名盤、「BORDER」(1988年リリース)に収録されている楽曲を中心に、5月29日(日)、まさに「ROCK'N ROLL SHOW」と呼ぶにふさわしいセットリストで、ふたりが同じステージに立ちます。
今回は、24年ぶりに再会を果たした二人に、じっくりと話をうかがいました。

IMG_0407_2.jpg──今日はよろしくお願いします。

竹本「よろしくお願いしま〜す」

SHARA「よろしくお願いしまーす」

──竹本さんとSHARAさんが1988年に出会って以来、今日、23年ぶりの再会ですね。

竹本「SHARAさんとはじめて出会ったのは87年だから、24年ぶりですね。……24年だって。びっくりだよねぇ」

SHARA「ねぇ〜。まさか一緒にこう……」

──誰も想像していませんでした。

SHARA「うん」

竹本「同じステージに上がってもらえることはたぶんないだろうと思っていたから。……アルバムをつくるときにどうしてもこういう音がほしいから、”特別によろしくお願いします” というのはアリだとしても、”ライヴで一緒にやってください” はないよね(笑)」

SHARA「いや、あるある(笑)」

竹本「いやいや(笑)。考えたこともなかったもん。もちろん、本当は同じステージに立ってくれたらいいなとは思いつつも、現実問題としては考えたこともなかった。だから当時、俺のバンドのギタリストには、”完コピしてね” って言うことしかできなかったからね」

SHARA「その話を聞いたんよね。大神剛っていうギタリストが友達で」

竹本「あー! はいはい」

SHARA「”竹本くんを知ってる?” って聞いてくるから、”知ってる! 知ってる! ギターを弾いたことがあるんよ” みたいな話になって。で、”竹本くんとやっているときに、すごく自由にやらしてくれるんだけど、『この曲は必ず完コピしてくれ』って言われたって(笑)」

──へぇ〜。

SHARA「”何でかなと思ったら、SHARAが弾いてたんだね” って(笑)」

竹本「そうそう。あれは完コピ命令を出していたんです(笑)。自由にギターソロを弾いてもらうことに対してはこだわらないんだけど、SHARAさんに参加してもらった『BORDER』というアルバムは、ものすごく思い入れを込めてつくったアルバムだから、”SHARAさんに弾いてもらった曲に関しては、このギター・ソロに関しては、完コピでお願いします。それ以外のことはあまり言わないから、SHARAさんの曲だけは完コピで” って。セットリストを全部完コピしたら、それはコピーバンドになっちゃうから」

SHARA「はははっ!(笑)」

竹本「バンドだから、人間性なり色なりが出てもいいんだけど、”この曲は譲れない” という話をしたんだよね」

SHARA「その話を聞いたときは嬉しかったね」

竹本「せっかく魂を入れて弾いてくれたフレーズなんだから。あのときも言ったと思うんですけど、俺はSHARAさんのフレーズが好きなんです。日本で一番泣けるギタリストということでお願いしたし」

SHARA「(笑)」

竹本「だから、”これでOK”と言ったものは、これで完コピしてください” ということだよね。それは必然でしょ。せっかくそこまでこだわったんだから」

SHARA「嬉しいね」

IMG_0409_2.jpg──竹本さんがSHARAさんに頼むきっかけは、どういうものだったんですか。

竹本「当時、俺は日本のハードロックバンドの音はほとんど聴いてなかったんです。はじめて音楽に出会ったのは洋楽のクイーンだったし。クイーンからはじまって、いろんな流れからブルース・スブリングスティーンにいって、ブライアン・アダムスとか、そういう流れだったんですよ。
 とは言うものの、ローリング・ストーンズもそうだし、ディープ・パープルもそうなんだけど、普通に聴くじゃないですか。そうやっていろいろ聴いてきて、”エアロスミスもいいなぁ。ホワイトスネイクもいいなぁ。でも、たとえば日本にはいいバンドいるのかな” ってなって。そんなとき、耳に入ってきたのがアースシェイカーだったんです。そのとき、”これはいいぞ” と思ったんですよ。メロディーラインを見てもすごくポップだし。やっていく本質は自分と近いと思ったんで、”あぁ、いいなぁ” と思って」

──こういう表現が適切かどうかは別として、アイドルとしてデビューした竹本さんが、徐々にロック色のある音楽をやるようになっていく、その過程で、SHARAさんも参加している「BORDER」というアルバムは、どういう思い入れでつくりました?

竹本「音楽をやっている人はみんな同じだと思うんだけど、つくりたいと思ったときに、自分がどういう音楽が好きかで出てくるものが違うと思うんですよ。ライトな感じのアコースティック・サウンドがいいなと思うときがあったり、ボトムの効いた、ギターの歪んだ太い音が好きなときもあるし。『BORDER』をつくりたいと思ったときは、たまたま……、いま聴いたら碧いなと思うんだけど、ヴォーカルが叫んでいて、ぶっとい音がある。ああいう音がハードロックかどうか、カテゴリはどうだっていいんですが、ただ、”俺はこういうふうに唄いたいから、そのときにこういう音がほしい” ってだけで。その結果が、あの音なんですよ。”いまの自分の気持ちがこうだった” と。あのときは、太いギターサウンドと自分の声で勝負したかったんです」

──当時SHARAさんは、いまほどは人のサポートはしていなくて。

SHARA「全然してなかったね。人のアルバムで最初に弾いたのは、近田春夫さんなんですよ。近田さんはすごくムードメーカーで、それに乗せられて楽しかったんよね。そのときに、”あぁ、こんなに楽しいものなんだ” って知って。ノビノビと弾かせてもらって。それがいい印象だったんで、他でもやってみたいなって思っていたときに声をかけてもらったから、そのときも楽しみのひとつやったね。声をかけてもらって嬉しかったし。数多くのギタリストがいる中でぼくを選んでくれたということが。そういう光栄な感じがあるし、”がんばらないと” っていう緊張感はあるけど、ぼくを選んでくれたということは、”ぼくを出せばいいんだろう” という気持ちが強かったよね(笑)。だから変に片意地張らずにできたと思います。自分がいいと思うものを自然な形で出せたんじゃないかな」

──それが1997年、88年の出来事で。

竹本「ずいぶん前のようにも感じるし、つい最近のことのようにも感じるけど、スタジオでSHARAさんが弾いている姿をいまでも覚えているんですよ」

──「BORDER」は名盤だと思ったので、今回の米子のライヴはあのアルバムを中心にセットリストをつくらせていただきました。

竹本「名盤かどうかと言うのは、聴いてくれた人が判断することなんだけど、でも変な話、自分が思い描く像ってあるじゃないですか。頭の中で空想しているアルバムの形というのがあって。そのときに何パーセント満足できるかっていう部分で、自分の中でせめぎ合いがあるんですね。……結局、100パーセントには絶対にならないんですよ」

SHARA「うん」

竹本「それなら一人でやれよっていう話になっちゃうし。でも人と一緒に仕事をしている以上は、100パーセントには絶対ならない。だけど逆に言うと、150になる可能性もある。ただ、現実は、100に満たないことが多いんです。それが『BORDER』に関しては、俺のなかでは限りなく100パーセントに近いアルバムなんです。むしろ、100を超えているんじゃないかなって思うくらい。だから『BORDER』が完成したあとは、なにも残っていなくて、しばらく頭が真っ白だったもん。やり終わったという感じがすごくあって。次の課題が見えなかったくらい」

SHARA「それはミュージシャンにとってすばらしいことよねぇ」

竹本「うん。あそこまで満足できるとは思わなかったですね。だからあのアルバムは未だに聴いていますもん」

SHARA「それはいいアルバム。聴くアルバムと聴かないアルバムがあるもんね」

竹本「ありますね(笑)」

SHARA「内緒の話なんですが(笑)」

竹本「わははっ!(笑)」

──ファン心理とは別に、ミュージシャン心理としてね。

SHARA「そうそう」

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